目の病気
中心性漿液性脈絡網膜症
中心性漿液性脈絡網膜症とは
網膜の中心にある黄斑部(最も視力に関係する部分)に浮腫(むくみ)が生じ、部分的な網膜剥離が引き起こされる病気です。
両眼同時に発症することは珍しく、多くは片眼に発症します。
ほとんどは良好な経過をたどり自然に治ることが多い病気ですが、再発を繰り返すことがあります。
中心性漿液性脈絡網膜症の主な症状
●視力低下
視力にとって一番大切な黄斑が障害されるため、視力が低下することがあります。
●中心暗点
視野の中央部分が周辺部に比べて暗く感じられることがあります。
●変視症
物がゆがんで見えることがあります。
●小視症
物が小さく見えることがあります。
●色覚異常
実際の色と違って見えることがあります。
●遠視
網膜の位置が前に移動することにより、軽い遠視になることがあります。
中心性漿液性脈絡網膜症の検査
眼底検査、蛍光眼底造影検査、OCT検査等を行います。
症状が似ている加齢黄斑変性症等との判別も重要になります。
中心性漿液性脈絡網膜症の治療
多くの場合、自然に治ることが多いです。
なかには慢性化したり再発を繰り返す場合があり、網膜の機能が傷害されて視力が元通りにならない場合もありますので、定期的に経過観察を行い、適切なタイミングで治療をすることが大切です。
レーザー光凝固術
浮腫が生じている部分が、黄斑の中心(中心窩)から離れている場合は、レーザー光による凝固術治療も可能です。レーザー治療は、早期回復が期待でき、再発を予防する効果があります。
内服薬
浮腫が生じている部分が、黄斑の中心(中心窩)に近い場合は、レーザーによる治療はできないため、内服薬による治療を行います。
光線力学的療法(PDT)
光に反応する薬剤(ビスダイン)を腕の静脈から注射した後、病変部にレーザーを照射するという2段階で構成されている治療法です。
中心性漿液性脈絡網膜症と症状がにている加齢黄斑変性症
中心性漿液性脈絡網膜症と同じ黄斑の病気のひとつに、加齢黄斑変性症があります。
加齢黄斑変性の初期は、中心性漿液性脈絡網膜症と症状が似ていますが、治療方法も異なり、病状によっては少しでも早く治療を開始したほうがよい場合もあります。
中心性漿液性脈絡網膜症は再発を繰り返す場合がありますが、中心性漿液性脈絡網膜症の再発なのか、加齢黄斑変性症の発症なのかは、精密検査をしないと判断できません。
見え方の変化を感じたら、早めに眼科を受診するようにしましょう。